
韓国でも人気となっている映画「スラムダンク」
いま、大ヒットしている映画「THE FIRST SLAM DUNK」。日本での観客動員数は去年12月の公開から8週連続で1位、興行収入はすでに90億円を突破しています。実はこの人気は日本だけにとどまらず、お隣の韓国でも、関連グッズが多く売れるなど、“スラムダンク旋風”が巻き起こっているのです。一体なぜここまでヒットしているのでしょうか。
1月26日、ソウル中心部のデパートでは、開店の30分前にも関わらず、先が見えないほどの長い列ができていました。お目当ては、この日からオープンした、映画「THE FIRST SLAM DUNK」の期間限定ストアです。
列に並ぶ客は、「きのうの午前10時から24時間並んでいる」「スラムダンクグッズを買いに来た。午前6時に来たのに、こんなに並んでいる」と話します。
オープンと同時に大勢の客が取り合っていたのが、限定品のユニフォームです。他にもフィギュアなどのキャラクターグッズなど、ここでしか買えない限定品を求め、多くの人が押し寄せました。

スラムダンクのオフィシャルショップには客が殺到した
今、韓国では映画「THE FIRST SLAM DUNK」が大ヒットしています。日本の高校バスケ部を題材にしていますが、韓国の観客数は公開3週間で既に160万人を突破。なぜここまで人気なのでしょうか。
映画館を訪れた40代の客は「私が学生時代に見ていたアニメを息子に紹介したくて、一緒に来た」と話します。韓国では、チケット予約購入者の7割以上が30代から40代で、原作を子どものころに読んだ世代が、自らの子どもと共に来ることも多いといいます。
韓国で原作が発売されたのは1992年。まだ日本の大衆文化の流入を厳しく制限している時代で、登場人物の名前は桜木花道がカン・ベクホ、宮城リョータがソン・テソプ、赤木剛憲がチェ・チス、と韓国風に変えられています。
書店の店員は「映画が公開されてから多くの客が購入している。5倍くらい売れていると思う」、と今回の映画のヒットを受けて、原作の単行本を再び買う人も増えていると話します。
ヒットの背景にはどんな戦略があるのでしょうか。
映画を制作した東映アニメーション・営業企画本部の手塚暁之さんは、「井上雄彦監督も『知らない方でも楽しんでいただける新しいスラムダンク』というような作り方をしているので、観客は30~40代が中心と思うが、その周辺の世代にも広まっていければと考えている」と話します。