習近平「韓国戦争演説」鼓舞…それが「BTS叩き」の本当の理由だった

By | October 28, 2020


今月7日、米国の韓米親善非営利財団「コリアソサエティー」がオンラインで行われた「バン・フリート賞」授賞式で韓国ボーイズグループのBTS(防弾少年団)が受賞の感想を伝えている。[写真 コリアソサエティーオンラインガラ生中継キャプチャー]
今月7日、米国の韓米親善非営利財団「コリアソサエティー」がオンラインで行われた「バン・フリート賞」授賞式で韓国ボーイズグループのBTS(防弾少年団)が受賞の感想を伝えている。[写真 コリアソサエティーオンラインガラ生中継キャプチャー]

「だからだったのか…」

疑問が解けた。中国の突然な「BTS(防弾少年団)叩き」の話だ。事件は今月初めに始まった。中国の一部ネットユーザーが激怒した。7日のBTSのバン・フリート賞受賞所感のためだ。BTSは「今年は韓国戦争(朝鮮戦争)70周年で両国(韓国と米国)がともに体験した苦難の歴史を記憶しなければならない」と話した。この発言に対し「なぜ中国の犠牲には言及しないのか」というのが中国ネットユーザーの不満だった。

問題は中国国営メディアの環球時報が問題を拡大させたという点だ。環球時報は12日にネットユーザーの反応を詳細に報道した記事をホームページのメインに掲載し中国国内の反BTS世論に油を注いだ。サムスン電子や現代自動車が中国でBTSを起用した広告をすぐに下げた。中国大手宅配業者の円通と中通、韻達などはBTS関連製品の配送を一方的に中断した。中断理由に対し「原因は私たちみんなが知っていること」という答だけ韓国メディアに伝えた。

いぶかしかった。

ネットユーザーなら自分の考えを話すことができる。しかしなぜ報道機関と企業が一糸不乱に憤怒をあおるのだろうか。理解できなかった。

疑問は23日に解消された。この日の習近平中国国家主席の演説に答があった。習主席は中国の韓国戦争参戦70周年を記念する席で所信を明らかにした。骨子はこれだ。

「中国の参戦は米国帝国主義侵略に抵抗する正義の戦いだ」。

具体的に見よう。習主席の演説だ。

「1950年6月25日に朝鮮内戦が勃発し、米国は冷戦的思考を基に内戦に武力介入することに決めた。偉大な抗米援朝戦争は帝国主義侵略に抵抗し中国の安保を守護し韓半島(朝鮮半島)情勢を安定させるためだ」。

「1953年7月の休戦協定は抗米援朝戦争の偉大な勝利だ。帝国主義は二度と中国を侵略できなくなった」。

抗米援朝、中国で韓国戦争をこのように呼ぶ。習主席が傍点を置いたのは続く発言だ。

「偉大な抗米援朝精神は時空間を超えて継承されなければならない。愛国主義の旗印の下、心ひとつに協力し世界が中国の力に触れることができないようにしなければならない」。

「世界」と包装したが実際に示すものはひとつだ。米国だ。ここに42分の演説で「愛国主義」という言葉も6回言及された。

「過去(韓国)戦争でしたようにわれわれは帝国主義(米国)と戦わなければならない」。

これが今回の習主席の演説の核心だ。ファーウェイやティックトックへの制裁などで米国は中国の息の根を激しく締め上げている。習主席はいわゆる「抗米援朝(米国に対抗し北朝鮮を助ける)の歴史」を人民の対米抗戦の意思を確かめ合う道具として活用したわけだ。

香港の時事評論家劉鋭紹氏は明報に「中国の韓国戦争介入40・50・60周年当時、中共の記念規模と内容、論調は今年ほど大げさでなかった。今年は米中関係悪化のため『抗米援朝』記念を通じ何かを見せる必要ができた」と分析した。

最高指導者の意向を中国の指導層がわからなかったはずがない。

どこの国でも同じだが、中国の国家首脳演説は最高指導者の考えが込められた高度な政治メッセージだ。演説文は即興的に完成されない。長い時間をかけて論理体系を整え熟成して作られる。しかも中国の最高指導者が韓国戦争参戦記念行事で直接演説したのは2000年の江沢民国家主席から20年ぶりだ。重要度が高い。

中国では他のどんな所より最高指導者と「党中央」の意中を把握することが重要だ。演説というビッグイベントに先立ち指導者が重要と考える「抗米援朝精神」の意味は中国指導層に広まっていただろう。

最近中国の劇場街とテレビで韓国戦争の映画やドキュメンタリーがあふれたのもこうした理由だ。ほとんどが米国の侵略に対抗した中国軍の活躍に光を当て愛国心を刺激する内容だ。習主席の演説を控え共産党次元であらかじめ雰囲気を作ったということだ。

ところがちょうどBTSの韓国戦争発言が出てきた。

最高指導者の演説が差し迫った時期だった。そのためBTS発言の実際の意図は中国では考慮対象ではなかった。指導者が強調する抗米援朝精神の「鮮明性」を高める道具としてBTSの発言を活用しただけだ。

世界が疑問を提起した中国のBTS叩きはこうした背景の下に出てきたのだ。これは習主席の演説が出てきた後も中国の有名芸能人が先を争って同調する考えをSNSに表明して確実になった。

重要なことは習主席が真実から目をそらしているという点だ。

彼は今回の演説で北朝鮮の「先制南侵」に言及していない。韓国外交部が習主席の発言翌日にすぐ「韓国戦争が北朝鮮の南侵で勃発したというのは否定できない歴史的事実」と反論した理由だ。

過去に中国も韓国戦争を北朝鮮が起こしたと認めたことがある。劉鋭紹氏は「2017年に中国人民日報はSNSを通じ『もし金日成(キム・イルソン)が朝鮮半島を統一しようとしなかったとすればどうして戦争が爆発できたか』と北朝鮮を非難した。中国共産党は『歴史は目の前の政治的必要に奉仕する』と考える。そのため(歴史発言が)その時ごとに異なる」と指摘した。



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