炊飯器のメーカー名を伏せても食べ比べて分かる!? 7機種どれがおいしいか比較

By | December 21, 2021


写真:Impress Watch

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今回は特別企画として、全7社のフラッグシップモデルを編集部内で食べ比べした。

フラッグシップモデルだけを比較したとはいえ、各社の「おいしさ」の基準は、下位モデルと共通していることも多い。特に「しゃっきり」や「もちもち」、「かため」や「柔らかめ」などは、価格帯が違えども、大きく異なることはあまりない。

一般に、なかなか購入する前に食べ比べするのは難しいだろう。もちろん個人の好みに左右されるところはあるが、編集部員が食べ比べた感想を、炊飯器の購入の指針の一つにしてほしい。なお、炊飯器によっては保温時のおいしさを長持ちさせる工夫などが施されているが、今回は、炊きたてのごはんの味や食感にのみ注目している。

まずは今回、比較対象とした7機種を紹介する。

アイリスオーヤマ、象印マホービン、タイガー魔法瓶、東芝ライフスタイル(以下、東芝)、パナソニック、日立グローバルライフソリューションズ(以下、日立)、三菱電機の7メーカー7機種だ。いずれも5.5合炊きで、各社のラインナップのなかで、最上位機種にあたる。

■ アイリスオーヤマ「瞬熱真空釜炊飯器 RC-IF50」

米を“おどらせない”ことで粒を立たせるというIHジャー炊飯器。同社のLED照明で使っている熱伝導技術のヒートパイプを炊飯器に応用。真空二重構造の釜を採用し、高速な熱伝導で、より均一な加熱を行なう。これにより水の対流を抑制して米をおどらせないことで、米同士の摩擦を防ぎ、ふっくらと粒立ちがよくツヤのあるご飯に炊き上がるという。

■ 象印マホービン「炎舞炊き NW-LB10」

沸騰工程での集中加熱時間を見直し対流を激しくすることで、米の甘み成分を引き出すという圧力IH炊飯器。本体底の6つのIHヒーターを独立制御する「ローテーションIH構造」を採用。ヒーター制御を見直したことで、より激しい対流を起こすことが可能になり、甘み成分のひとつである還元糖を引き出すとする。発熱効率と蓄熱性が高い「鉄」素材を、アルミとステンレスに組み込んだ内釜を採用する。

■ タイガー魔法瓶「土鍋ご泡火ほうび炊き JPL-G100」

内なべに本土鍋「土鍋ご泡火炊き」を採用した圧力IH炊飯器。大量の泡がお米を包んで表面を守るのが特徴。お米が傷つきにくく、旨み成分のデンプンが閉じ込められるため、表面がつややかでもっちりとした食感に炊き上げられるという。本体底に組み込んだ「遠赤土かまど」が本土鍋に熱を伝え、土鍋ならではの最高温度約280℃の高火力を実現。約4倍の遠赤効果による輻射熱で甘みと旨みを引き出す。

■ 東芝「炎 匠炊き RC-10ZWP」

1,420Wの大火力と連続加熱・連続沸騰に加え、加熱時や蒸らし時にも適切な火力に多段階調節する「炎 匠炊き」が特徴の圧力IH炊飯器。大火力で沸騰させることで、粒が立ちふっくらとした炊き上がりを実現。また多段階火力調節により、甘み成分の酵素を活性化させると言われる温度帯を長くし、甘みを引き出すという。

■ パナソニック「おどり炊き SR-VSX101」

米の状態を見極めて大火力IH、可変圧力、高温スチームの3つの要素を自動でコントロールする「おまかせ見極め炊き」機能を搭載した圧力IH炊飯器。米の鮮度にあわせて圧力を調節する機能に加え、2021年発売の同製品では追い炊き時のスチーム温度を調節する機能を新たに備えた。例えば、新米であれば、250℃スチームで余分な水分を飛ばしてハリ感を出したり、乾燥米であれば、180℃のスチームでパサつきと甘さの低下を抑えつつ、みずみずしく炊き上げるという。

■ 日立「ふっくら御膳 RZ-W100EM」

最高1.3気圧の圧力と、最高107℃のスチームで炊き上げる圧力IH炊飯器。季節による水温の変化をセンサーで感知し、火加減や浸し時間を自動で調整する。浸し工程においては、寒い冬は水温を40℃まで上げてじっくり吸水させる。暑い夏は米が吸水しすぎないように浸し時間を短くし、早めに加熱。開発において京都の老舗米屋「八代目儀兵衛」とコラボレーションし、ひと粒ひと粒の食感がしっかりしており、噛むと米の甘みが広がる「外硬内軟」を実現したという。

■ 三菱電機「本炭釜KAMADO NJ-AWB10」

内釜に、純度99.9%の炭素材を使用した「本炭釜」を採用したIHジャー炊飯器。炭素材の内釜はIHと相性がよく、熱を瞬時にお米に伝えられ、少量でも一粒一粒ふっくら炊き上げられるという。釜底・胴回り・フタに計8重のヒーターを搭載。大火力でお米全体に熱を伝え、しっかりと粒感を立たせるとしている。フタには炊飯量を正確に計測するセンサーを搭載し、火力を細かく調節する。

■ 全7モデルを実食! 「もちもち/しゃっきり」など、味や食感の違い

今回は、編集部員6名が食べ比べに参加。

炊きあがりのごはんは、いずれもおいしいというのが実際のところ。いずれの炊飯器でも設定は、「かたさ」を「ふつう」に設定して炊いた。それでも「しゃっきり」や「もっちり」、「かため/やわらかめ」、「甘い」など、炊飯器による違いも見えてきた。

使用したお米は、スーパーで購入した無洗米(岩船産こしひかり)。洗米時の洗いムラを防ぐため、無洗米を採用した。

炊飯時は、各モデル付属のカップで計量し、それぞれ3合を投入。アイリスオーヤマ以外は、内釜の内側の目盛りを見ながら水を入れていった(アイリスオーヤマは、水量をカウントダウンする機能を使ってピッタリ軽量)。

編集部員は、自宅をはじめ発表会、レビューなどでごはんを食べている機会もあるため、各社に固定のイメージを持っている場合がある。そこで試食の際は、どのごはんがどの炊飯器で炊いたものかを分からないブラインド方式(盛り付けた1名を除く)で試食を開始した。まずは編集部の感想をもとに、各社の炊きあがりの特徴を並べてみよう。

アイリスオーヤマ:柔らかめ
象印マホービン:ややもちもち
タイガー魔法瓶:甘く・もっちり
東芝:味も食感も中間的
パナソニック:やや甘く・やや柔らかめ
日立:ややしゃっきり
三菱電機:しゃっきり

以下は、機種ごとの特徴をまとめたもの。食べ比べ参加者の感想もあわせて紹介しよう。

■アイリスオーヤマ:柔らかめ

7機種のなかで炊き上がり時点での水々しさが、最も感じられたのがアイリスオーヤマ。もちもち感としゃっきり感がちょうど良いとする評価が複数あった。その一方で、水分が多めで米が柔らかいと感じる人や、炊きたてでも冷めてもやや水っぽいと感じる人もいた。

編集部員の主なコメント

・米の風味がよく感じられる
・しゃっきり感(粒感)ともちもち感のバランスが良い
・水分が多めでやや柔らかい
・ふわふわ感した感じの食感が好み

■象印マホービン:ややもちもち

全7機種の中で「柔らかい」と感じる人が多かったのが、象印マホービン。やや水っぽいと感じる人もいたが、一方で「味に締まりがある」や「ねばりが良くもっちりとしているが、米が潰れていない感じが良い」などの評価も多かった。

編集部員の主なコメント

・ちょっと水っぽい気がする
・粘りありもっちりしているが、潰れていない感じが良い
・甘くて、一番味を感じられた
・粘りを最も感じた

■タイガー魔法瓶:甘く・もっちり

炊きあがり時に、唯一“おこげ”ができたのがタイガー魔法瓶。そのためか「甘さを感じられた」とする人が最も多かった(ちなみに、おこげのない部分をよそい、どの米がタイガーかは分からない状態で試食している)。また食感についても、全員一致して「もっちりしている」とコメントしている。そうした意味で「甘く・もっちり」しているという、分かりやすさを兼ね備えている炊飯器と言える。

編集部員の主なコメント

・柔らかいが、甘さが詰まっている感じ
・甘さはあるが、さっぱりしている
・柔らかいというより、もっちり
・もっちり好きには最高だろう

■東芝:味も食感も中間的

標準的な炊飯モードで、ほかモデルが40~50分で炊きあがったのに対して、約30分とスピーディに炊けたのが東芝。「(味に)クセがなくてニュートラル」など、味に関しては、全モデルの中で中間的な位置づけだと感じた人が多かった。一方で、食感に関しては「柔らかめ」と感じる人が多い。

編集部員の主なコメント

・ねばりがあり
・良い意味で、どのおかずにも合いそう
・甘みを感じるし、少し冷めても美味しい
・やや柔らか系

■パナソニック:やや甘く・やや柔らかめ

炊き上がってフタを開けた時に、大量の蒸気が立ちのぼり、ほかと比べて明らかに米が立っていたのがパナソニック。そのせいか香りや甘みなどの風味を感じた人が多かった。また、程よくしゃっきり感を残しつつ、柔らかさやもっちり感を得られた。

編集部員の主なコメント

・後味にしつこさのない甘みが良い
・米を噛むほどに甘さを感じる
・口の中でほどけていく感じが良い
・やや硬めだがもっちり感がある

■日立:ややしゃっきり

味や食感に関しては、どちらかに大きく振れることがないとする意見が多かったのが日立。「香りが強い」と感じたり、「しっかりと粒感があるが、甘さもあって良い」とする人もいた。安定感のある味と食感だったと言っていいだろう。

編集部員の主なコメント

・ちょっと甘さがある
・粒感があり味がさっぱりしていると思ったが甘さがある
・もっちりの中にしっかりと粒感を感じられる食感
・粒立ちが良く、悪くない

■三菱電機:しゃっきり

過去の試食では、しゃっきりという評価が多かった三菱電機。今回も「しゃっきり」と感じる人が断然多かった。また味の評価も高く、お米の味が甘いと感じた人が多く「お米の味がよく感じられた」や「好きなバランスの味だ」などといった意見もあった。

編集部員の主なコメント

・好きなバランスの味
・お米の味が良く感じられた
・口の中でほどける感じがちょうどいい
・とてもしゃっきりしていて、冷えると粘りが増したように感じて粒感が程よくなった

■ 内釜の重さや洗浄パーツでメンテナンス性をチェック

炊飯器は、毎日使う家庭も多いだろう。そのため購入時には、美味しく炊けるかだけでなく、メンテナンス性も重視して選びたい。使用後に毎回洗う必要があるのが、内釜。いずれも5.5合炊きモデルなので、内釜のサイズに大きな違いはないが、その重さに関しては意外と異なる。そのほか内蓋以外に、蒸気の吹出口を覆うパーツの形状や、洗浄するパーツの数に各社で違いがある。

内釜は、美味しさに直結するだけあり、各社が最も開発に力をいれているパーツの一つ。そのため、メーカーによっては、ほかと比べて重いものもある。内釜を洗う際はもちろん、洗米時に内釜を使う場合は、重さが気になるもの。例えばアイリスオーヤマの釜は米の炊きムラを防ぐヒートパイプ技術を採用したため二重構造となっており、2kg弱の重さがある。それに対して、以前は南部鉄器の内釜を採用していた象印マホービンは、「豪炎かまど釜」となり、大幅に軽量化された。

サイズや形状に関しては、大きく異ならないが、内釜の上部が出っ張った羽釜のような形状のものもあり洗いずらさを感じるかもしれない。釜の洗いやすさを重視する人や内釜で米を洗う人は、購入前に確認してほしい。とはいえ、アイリスオーヤマの釜は真空二重構造により炊飯時に釜内部の温度が均一になるようにしていたり、東芝や三菱の釜は羽釜に近い形状にすることでかまどのような炊きあがりを追求していたりすることも、考慮しておきたい。

各社で違いが大きいのは、内ぶたの形状や、蒸気の吹き出し部分に装着するパーツだ。アイリスオーヤマ、東芝、パナソニックは内ぶたに加えて蒸気口を取り外して洗えるため、洗浄時のパーツは多くなる。また、パナソニックと日立は炊飯時に圧力に加えてスチームを使用することから、スチーム用の部品を洗う必要がある。

家電 Watch,河原塚 英信



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