
手取り21万、残業「月40時間」でしんどいです…これで転職するのって「甘い」ですか?
自分の収入と残業時間が見合ったものであるか、疑問を抱く人は少なくないでしょう。特に、残業時間が多いにもかかわらず、収入の額に満足ができない場合では、転職を検討し始めたくなるのも無理はありません。一方で、転職を「甘え」と感じる人もいるようです。今回は、月に40時間の残業で手取り21万円の人が転職を検討するのは「甘い」かどうか、統計なども用いながら考えます。
一般的な残業時間を統計などから確認
まずは、一般的な残業時間を見ます。例えば、厚生労働省の実施する「毎月勤労統計調査 令和5年3月分結果確報」によると、月の所定外労働時間の平均は10.5時間という結果でした。これは、従業員が5人以上の企業で、かつ、パートタイム労働者も含みます。パートタイム労働者を除いた一般労働者に限ってみると、月の平均所定外労働時間は14.4時間です。一方で、パーソルキャリア株式会社の運営する転職サイト「doda」のアンケート調査によると、2022年の月の平均残業時間は22.2時間という結果でした。
こうした結果の違いには、調査対象が大きく影響を与えていそうです。厚生労働省の「毎月勤労統計調査」は、事業所を調査対象としています。一方の「doda」は、実際に働くビジネスパーソンが対象です。調査方法の違いも考慮に入れ、これらのデータを見る必要があります。
・月に40時間の残業は非常に多い
各統計やアンケート調査の結果をみても、月の平均残業時間は14~22時間程度です。また、厚生労働省の同調査によると、もっとも月の平均所定外労働時間の多い業種は「運輸業・郵便業」で、23.3時間でした。一般労働者に限っても26.6時間となっています。それ以外で、月に20時間の残業を超える業種はありません。月に40時間の残業は平均だけではなく、どの業界と比べても非常に多いといえるでしょう。
・残業時間の少ない業種
反対に、残業時間のあまり多くはない業種もあります。厚生労働省の同調査によると、月の平均所定外労働時間がもっとも少ない業種は「医療・福祉」で5.1時間でした。ほかに、「飲食サービス業等」が5.3時間、「生活関連サービス等」が5.5時間と、平均を大きく下回る残業時間となっています。