富裕層にも“児童手当” 少子化対策は考え直せ【播摩卓士の経済コラム】

By | May 26, 2023


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■現在の児童手当、月1万円~1万5千円

岸田政権が掲げる「異次元の少子化対策」が、取りまとめの時期を迎えています。少子化対策の中心になっているのが児童手当の拡充です。新たに年間3兆円程度の財源が必要になる中で、1兆2000億円が児童手当の拡充に使われる見込みです。

民主党政権時代にスタートした児童手当。現在は、0~2歳に月1万5000円、3歳から中学生までに月1万円が支給されています。第3子以降については、3歳から小学生までに限り、5000円が加算されています。

また、児童手当には所得制限があり、例えば専業主婦に子供2人のケースでは、夫の年収が960万円以上だと月5000円に減額され、年収が1200万円以上の場合は支給されません。

この所得制限は、子どもの数や収入の種類によって異なる他、共働きの場合は、世帯ではなく所得の高いほうの親の所得で決まるため、特にボーダーラインの対象者からは、様々な不公平感が示されているところです。

■児童手当を高校生にも、所得制限は撤廃

岸田政権が進めようとしている少子化対策では、まず、現在、中学生までが対象の児童手当を高校生にも広げ、支給額は中学生と同じく月1万円とします。その代わりに高校生がいる世帯に認めている所得の扶養控除を見直す方向です。

次に、3歳から小学生までが対象の第3子以降の加算を拡大し、月3万円と現在の倍にする方針です。

そして何より、「家庭環境に関わらず子育てを支援する」という考え方に基づき、現在ある所得制限を、完全に撤廃する方針です。何千万円もの所得がある世帯に、なぜ月1万円の児童手当を支給しなければならないのか、私には理解できません。

■財源は、公的医療保険料に上乗せか

百歩譲って、この児童手当の拡充が、赤ちゃんの数を増やすことに多少の効果があるとしても、それはコストとの見合いの問題でしょう。財源はと言えば、健康保険など公的医療保険の保険料に上乗せする形で徴収する案を軸に調整が進む見通しです。要は、事実上の保険料の引き上げです。



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