
25日、モスクワで、ロシアのプーチン大統領(円卓奥)の仲介で協議するアルメニアのパシニャン首相(同右)とアゼルバイジャンのアリエフ大統領(AFP時事)
25日の旧ソ連圏経済ブロック「ユーラシア経済同盟」首脳会議で、アルメニア、アゼルバイジャンの両首脳が領土問題を巡り大論争を繰り広げた。
【図解】ナゴルノカラバフ
議長を務めるロシアのプーチン大統領は首脳会議を通じて、ウクライナ侵攻で低下した求心力の回復を目指していた。しかし、プーチン氏の思惑に反し、かえって「勢力圏の亀裂」を露呈させる結果となった。
摩擦の種は、アルメニア系住民が暮らすナゴルノカラバフ。同地を争う両国は2020年秋に交戦し、アゼルバイジャンが実質勝利した。アゼルバイジャンは最近、アルメニアと同地を結ぶ陸路「ラチン回廊」に検問所を設置したと発表した。
これに関し、アルメニアのパシニャン首相は、25日のユーラシア経済同盟首脳会議の席上、「(停戦合意後)ロシアの平和維持部隊が回廊を管理すべきなのに(アゼルバイジャンが)違反して封鎖した」と非難。アゼルバイジャンのアリエフ大統領は「国際規範に基づく検問所だ。封鎖はしていない」と反論した。
仲介役のプーチン氏は困惑した表情で「ロシアも有名な方面(ウクライナ)で紛争が起きている」と発言。ロシアが隣国に侵攻した責任は棚上げして、「われわれ全員が紛争の解決に利害関係を有している」と両国に自制を呼び掛けた。
この後、3首脳だけで協議し、プーチン氏は「(両国の対立は)乗り越えられる障害だ」と主張。1週間後に副首相レベルで協議を続けることで一応の合意を取り付けるのが精いっぱいだった。
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