「酷道」とは何か

国道308号線(画像:写真AC)
今日は「道路好き」のなかでもニッチなジャンルとして扱われている酷道(こくどう)について話をしよう。
【画像】えっ…! これが噂の「酷道」です(5枚)
酷道とは、酷(むご)い道とあるとおり、整備が行き届いていないため、とにかく狭くて走りにくい道路である。そしてもうひとつ、ここが重要な点であるが、
「一般国道」
でなければならない。
つまり酷道は、国から見て交通量が少なくあまりにも重要度が低いため、予算が回されずに整備が追いついていない一般国道につけられた愛称なのだ。
一般国道には、現在1号から507号まであるが、このうち48路線が欠番している。また、一般国道は道路管理の区分として、国が行う直轄国道(指定区間)と都府県ならびに政令市が行う補助国道(指定区間外)にわけられる。
直轄国道は「一般国道の指定区間を指定する政令」により定められている一般国道だ。ややもすると、1号線から58号線といった重要な幹線だけが直轄国道だと思われがちであるが、実はそうではなく400番台や500番台の一般国道も指定されている。
一般国道のルールはさておき、やはり酷道には数字が大きい一般国道が多い。また、県庁所在地など地域の中心都市に向かっていない補助国道や一部区間が酷道になりやすいといえよう。
ネットやテレビで紹介された酷道

国道339号線(画像:写真AC)
酷道はひとつのジャンルとして成立しているものの、世間的な注目度が低い上に、マスコミにも取り上げられにくさが残る。
例えば、津軽半島の最北端にある龍飛岬の国道339号線は、日本で唯一の「階段国道」としてしばしばテレビや雑誌で紹介されており、見たり聞いたりした人も多いのではないだろうか。
このほか、東大阪市にある商店街を貫いている国道170号線も、物珍しさも手伝ってか、テレビなどで度々登場している。これらの国道と比較すると、酷道はやはりインパクトに欠けるようである。
その昔放送されたタモリ倶楽部の全国一般国道ランキングでも、いくつかの酷道が取り上げられているが、先に述べた国道170号線や国道339号線を含めた内容だった。
インターネットで酷道と検索すると、さまざまな酷道に関する情報が得られる。試しに「日本三大酷道は?」と検索してみると、
・国道439号線:徳島県徳島市から高知県四万十市まで
・国道425号線:三重県尾鷲市から和歌山県御坊市まで
・国道418号線:福井県大野市から長野県飯田市まで
との検索結果が表示される。もちろん、このほかに国道157号線なども日本三大酷道と目されている。
また、国道421号線の石榑峠(いしぐれとうげ)のように、以前は酷道マニアの間では有名な場所であったが、トンネルが整備されてしまった酷道もある。