幕上がるバイデン時代…米朝、韓米、米中関係

By | January 17, 2021


バイデン次期米国大統領が20日に就任する。これとともにこの4年間に全世界を揺るがしてきたトランプ大統領の「米国優先主義」(America First)も国際舞台から消えることになった。バイデン次期大統領は当選直後、「米国が帰ってきた(America is back)」と宣言した。トランプ大統領と差別化された外交政策を展開すると公式に明らかにした格好だ。

核心は同盟主義と多国間主義だ。既存の同盟国を最大限重視して外交的懸案を解決していくという戦略だ。国際政治の側面からバイデン次期大統領の前には米中関係、北朝鮮の核交渉、イランの核問題、気候変動など懸案が山積している。変数は79歳と高齢のため1期4年の大統領になる可能性が低くないという点だ。成功した大統領になるためには任期初めから急がなければならない理由だ。韓半島(朝鮮半島)をめぐる北東アジア情勢もバイデン氏がどのような選択をするかにより大きく波打つ見通しだ。

1.米朝関係

バイデン氏の就任を控え北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が出した最初の反応は既存の枠組みから大きく抜け出さなかった。核心は機先制圧に向けた圧迫だった。金委員長は5~7日の労働党第8回大会事業総和報告で「新しい朝米関係樹立のカギは米国が敵対視政策を撤回するところにある。強対強、先対先の原則で米国を相手にするだろう」と明らかにした。その上で米国を「最大の主敵」と規定した。米国本土を打撃できる核能力開発に邁進するとし原子力潜水艦開発計画も公開した。

これまで北朝鮮は米国の政権交代期に圧迫を通じた緊張高揚と自らの価値を高める戦略を駆使してきた。トランプ政権初期の2017年には大陸間弾道ミサイル(ICBM)火星14型を試験発射し、オバマ大統領就任直後には光明星2号を撃ち2回目の核実験を断行した。これによりオバマ政権では「戦略的忍耐」という対北朝鮮政策が出され、トランプ政権も最初の1年間は北朝鮮と深刻な対立を経なければならなかった。

バイデン政権の対北朝鮮政策方向も北朝鮮の先制圧迫にどのように対応するかにより決定される可能性が大きい。今後4年間の米朝関係が初期セッティングの結果に左右されることになるかもしれないという意味だ。その上バイデン政権はトランプ政権のようにトップダウン方式ではなくボトムアップ方式で対北朝鮮協議に入るとみられ、サプライズショーは起きにくい。関係が早期に悪化する場合、劇的な好転は望めないという意味だ。

まだ北朝鮮の挑発レベルは高くない。「ひとまず見守る」雰囲気が強い。そうした中でバイデン政権が対北朝鮮強硬路線に方向を定める場合、高強度の挑発で対抗する可能性は大きい。

だが金委員長の立場でも障害は少なくない。自ら失敗を認めた経済再建に力を注がなければならない状況という点からだ。このためには対北朝鮮制裁の解除・緩和が絶対的に必要で、これは米朝交渉を通じてだけ得られることを金委員長もよくわかっている。彼が以前のように生半可に挑発に出ることはできないだろうという分析が出ている理由だ。

ひとまず2~3月に予定された韓米合同演習が山場だ。演習規模と内容により北朝鮮の応酬は変わるだろう。金委員長には次期大統領と外交トップであるブリンケン次期国務長官の見方が好意的でないことも負担だ。ブリンケン氏は昨年9月に「(金委員長は)世界最悪の暴君の1人」と非難したりもした。

米朝交渉は少なくとも5月までは軌道に乗るのが容易でなさそうだ。統一研究院のコ・ユファン院長は「米国が既存の対北朝鮮政策を見直して新たな戦略を立てるまではある程度物理的時間が必要な状況。外交専門家であるバイデン氏が執権初期に北朝鮮問題をできるだけ優先順位に置いて処理することが韓半島平和のためにも望ましい」と話した。これと関連しワシントンの政界では「米朝とも慎重なアプローチで序盤の危機を克服する場合、その後に進められる北朝鮮の核交渉に期待をかけることができるだろう」という観測も用心深く提起されている。

2.韓米関係

バイデン時代を迎え韓米関係の変数は大きく2種類を挙げられる。ひとつは対北朝鮮アプローチ方式での溝で、もうひとつはバイデン氏が強調する同盟主義だ。

すぐに懸念されるのは北朝鮮へのアプローチ方式の違いによる水面下での対立だ。特に北朝鮮の人権問題が韓米関係の新たな問題に浮上する見通しだ。米議会傘下のトム・ラントス人権委員会も今月中に対北朝鮮ビラ散布禁止法と関連して議会聴聞会を開くと意気込んでいる。既存の韓米対立にまた別の要素が追加される格好だ。

バイデン氏の同盟主義はコインの両面と同じだ。韓国の立場で防衛費分担金交渉などでは恩恵を得られるが、それだけの対価も払わなければならなくなるかもしれない。中国封鎖に向けたインド太平洋戦略に参加するよう要求も強まるものとみられる。悪化した韓日関係も文在寅(ムン・ジェイン)政権には負担だ。バイデン政権が韓日米三角協力を強固にするために韓日関係改善を要求する可能性があるためだ。高麗(コリョ)大学のナム・ソンウク教授は「何より文在寅政権が韓米同盟の伝統的価値に基づいてバイデン政権の政策と足並みを合わせていくことが重要だ。米中の狭間で維持してきた慎重な動きも同盟間協力にさらに積極的に取り組む方向にシフトする必要がある」と注文した。

3.米中関係

バイデン政権が外交政策で最も重点を置く分野が中国との関係だ。外交界では両国関係改善よりは圧迫を通した力の優位を確認することに傍点がつけられるだろうという見方が強い。トランプ政権時に米中両国は「新冷戦」と呼ばれるほどの角逐を行ったがバイデン政権の中国政策もこれと似ているだろうという観測だ。「中国の覇権拡大抑止」という目標はトランプ政権と変わらないだろうという話だ。

このため経済的側面では貿易赤字を掲げて関税賦課を武器に中国を圧迫すると予想される。軍事的にもインド太平洋戦略の強化を通じ中国の大洋進出を防ぐという計画を立てている。東シナ海と南シナ海での「航行の自由」を繰り返し明らかにしているのもこうした理由からだ。

今後国際情勢の大きな流れは国際社会で影響力を拡大しようとする中国と、これを抑制しようとする米国の自尊心をかけたパワーゲームの結果に左右される可能性が大きい。ただ米国内部の問題で対中圧迫が優先順位から押し出されかねないとの意見もある。亜洲(アジュ)大学米中政策研究所のキム・フンギュ所長は「バイデン政権が喫緊の懸案に浮上した内部対立問題を、どのように、どれだけ早く決着させるかにより米中関係の様相も変わるだろう」と予想する。



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