韓国・文在寅が「怒れる若者たち」から見放されそうになっているワケ

By | July 6, 2020

韓国・文在寅が「怒れる若者たち」から見放されそうになっているワケ

若者の失業率が大変なことに…

 足許、韓国の労働市場の悪化が鮮明だ。

 世界的なコロナウイルスの感染拡大で、韓国の輸出は急速に落ち込み企業業績が悪化した。

その結果、若年層を中心に失業率が上昇している。

 本来であれば、労使は協調して経営を支えなければならないのだが、韓国の労働組合は経営者に大幅な賃上げを求め始め労使間の対立が深刻化している。

 その背景には、労働組合などの支持を背景に政権を維持してきた、文在寅(ムン・ジェイン)政権の労働組合に対する好意的ともいえる政策運営がある。

 そうした文政権の政策によって韓国の労働争議は勢いづいた。

 それに加えて、コロナショックによる景気先行き懸念が加わり、労働組合の強硬姿勢がこれまで以上に鮮明になっている。

 それは、今後の韓国経済にとって無視できないリスクだ。

 世界的に新型コロナウイルスの感染は増えている。

 効果のあるワクチンの開発と供給に関しては不確実な部分がある。

 世界の貿易取引は低迷し、韓国経済が深刻な景気後退に陥る可能性は高い。

 そうした展開が想定される中で労働組合が賃上げを求め続ける場合、中小企業を中心に韓国企業の体力は低下し、韓国の所得・雇用環境は一段と悪化するだろう。

急速に悪化する韓国の労働市場

新型コロナウイルスの発生によって、韓国の労働市場は急速に悪化している。

 1月、7.5%だった20代の失業率は、5月に10.3%にまで上昇している。

 他の世代では、それほどまでに失業率は上昇していない。

 5月の韓国の失業率が4.5%だったことを考えると、若年層の雇用環境はかなり厳しい。

 その背景には、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大がある。

 それによって世界的に貿易取引が落ち込んでしまった。

 その結果、輸出動向に大きく左右される韓国経済は失速し、企業業績は急速に悪化した。

 業種別にみると、半導体や一部のIT機器を除き、韓国経済は総崩れというべき状態だ。

 特に、中小企業の経営は厳しい。

 生き残りのために非正規雇用者などの解雇に踏み切らざるを得ない企業が増えた。

 もう一つ、賃上げを求める労働組合の強硬姿勢は見逃せない。

 既得権益層である労働組合が、若者を労働市場からはじき出しているともいえる。

 これまでも、韓国の労働組合は経営者に賃上げを求めてきた。

 賃上げを求め、既得権益を強化することが韓国の労働組合にとって至上命題といってよい。

 足許、景気が低迷し賃金に下押し圧力がかかるとの見方から、労働組合は企業経営者への要求を強めている。

 7月1日にソウルで開催された第4回最低賃金委員会全員会議では、労働組合が賃金の削減を求める経営者への反発姿勢を明確に示した。

 労働組合は経営者に、2021年の最低賃金を本年から16.4%引き上げ時給1万ウォンにするよう求めた。

 それは、韓国経済の実力を削ぐことに等しい。

 既得権益にしがみつく韓国の労働組合は、経済を蝕んでいるようといっても過言ではない。

若者から希望を奪う文大統領の政策運営


 左派の文大統領にとって、労働組合の賃上げ要求をなだめることは難しい。

 苦肉の策として文政権は仁川(インチョン)国際空港の警備に携わる非正規雇用者を正規職に転用する方針を示した。

 それによって文氏は弱者に配慮する姿勢を示したいのだろう。

 しかし、最低賃金の引き上げを凍結した一方で、非正規職員の賃金を引き上げる政策はつじつまが合わない。

 その見方から、文政権の雇用対策が不公平だと憤る若者が増えている。

 文政権は、若者をはじめ国民に豊富な選択肢を提示し、より良い人生を目指す環境を提供できていない。

 韓国では、サムスン電子など一握りの企業に就職しなければ満足できる所得を得ることが難しい。

 その状況に対応するために、韓国では40代を中心に家計の借り入れが増加した。

 成長分野が見当たらないため、借り入れに頼り事業の運営を目指す企業も増えた。

 その結果、3月末の時点で韓国の家計と民間企業の債務残高はGDPの2倍を突破した。

 今後も、韓国の債務規模は膨張する可能性がある。

 韓国の人口減少はわが国以上に深刻だ。

 相対的な就業機会の豊富さなどを求め、人口がソウルに流入している。

 その結果、ソウルの不動産価格は上昇している。

 住宅の取得などのために借り入れに依存する人は増えるだろう。

 ただし、債務に依存した経済運営は持続可能ではない。

 今後、輸出の低迷や労働争議の激化などによって韓国の所得・雇用環境は一段と悪化する可能性がある。

 そうした展開が現実のものとなれば、債務の返済に行き詰まる個人や企業が出始め、追加的に韓国の労働市場は悪化してしまうだろう。

 このように考えると、文政権下の韓国では将来を悲観する若者が増え、社会全体に閉塞感が広がる恐れがある。

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