【一筆多論】対韓「配慮」を促すときか 長谷川秀行

By | June 30, 2020


24日、WTO次期事務局長選の立候補を表明した韓国産業通商資源省の兪明希・通商交渉本部長=韓国・世宗(聯合=共同)

 新型コロナウイルス禍の報道で目にしない日のない世界保健機関(WHO)と字句が似ており、筆者もちょくちょく混同してしまう世界貿易機関(WTO)の事務局長選に、韓国産業通商資源省の高官、兪明希氏が立候補する。

 それはそれで結構なことだが、対韓輸出管理の厳格化をめぐり、文在寅政権が日本の措置は不当としてWTOの紛争解決手続きを再開したばかりだ。昨年来、この件に関わってきた兪氏の出馬はやはり気になる。

 兪氏は会見で、「WTOの国際協調体制の復元・強化は韓国経済や国益に重要だ」と述べた。さすがに個別紛争で韓国の代弁をするつもりはないようだが、160超の国・地域がひしめき、兪氏の言う「国益」がぶつかり合うのがWTOである。1字違いのWHOで中国寄りの事務局長が非難されていることをくれぐれも忘れぬよう願いたい。

 それはともかく、再燃している輸出管理の厳格化である。筆者はかねて、日本の措置は兵器転用できる輸出品が韓国経由で北朝鮮などに流出することを防ぐ当然の措置だとしてきた。

 日本は昨夏まで、韓国側の体制に不備があることを知りながら、そこに目をつむって輸出手続きに優遇措置を与えてきた。これをようやく見直した一連の措置は、WTOルールに反するどころか、日本が国際社会に果たすべき責務だ。韓国の提訴に対しても、あくまでも主権国家としての判断を貫き、WTOの場で堂々と反論すればいい。

 解せないのは、韓国はおろか国内でも、相変わらず日本政府に措置撤回や見直しを求める論調が多いことだ。例えば朝日新聞はコロナ禍時代の日韓協調を論じた5月13日付社説で、安倍晋三政権は「対韓貿易規制強化を直ちに取り下げ、関係を立て直す必要がある」と指摘している。

続きを読む



Source link